【M7考察】Team Liquid vs Alter Egoに学ぶ、ランクマッチ勝率爆上げの鍵

M7考察

1. はじめに:TL vs AEの激闘が教えてくれること

世界大会「M7 World Championship」ノックアウトステージ。ジャカルタのTennis Indoor Stadium Senayanは、まさに「プレッシャー・クッカー(圧力鍋)」のような熱狂に包まれていました。地元インドネシアの「愛娘」Alter Ego (AE) と、フィリピンの連覇を象徴する絶対王者 Team Liquid PH (TLPH) によるBO5は、現環境のマクロとメタを理解する上で最高の教科書となりました。結果から言えば、この激闘を3-2で制し、TLPHの「ゴールデンロード」を阻んだのはAEでした(その後、同じフィリピン代表のAurora Gaming PHが決勝でAEを4-0で破り、PHの連覇記録を「6」に伸ばしました)。しかし、敗れたとはいえTLPHがGame 2やGame 3で見せた戦術は、まさに「マクロの極致」。単なる技術の応酬ではなく、マップを支配するための緻密なプランが、ランクマッチで勝つためのヒントに溢れています。プロの分析官の視点から、この激闘を紐解いていきましょう。

2. データで見る全5試合のB/P統計

M7全体の統計値と、このシリーズで鍵となったヒーローを以下のテーブルにまとめました。プロが何を「脅威」と感じ、何に「信頼」を置いているのかが明確に現れています。

ヒーロー名B/P率/プレゼンス 勝率評価
燭心98.54% ほぼ全試合出禁。現環境最優先の警戒対象。
ガレック 禁止率 66.42%いジャングル通路での戦闘を得意とするインドネシア流を封じるための最優先BAN。
クラウド最多ピック(72回)52.55%終盤の集団戦における絶対的な信頼。「Baby Cakes duo」の片翼。
フレッドリン77.78%驚異の勝率。KarlTzyが完成させた「ユーティリティ・ジャングラー」の象徴。
アーロット73.91% 耐久とバーストを兼ね備え、サイドレーンの主導権を握るハイブリッド枠。

3. 勝負の分かれ目:プロの対策とカウンターピック

TLPHはGame 1を落とした後、極めて精度の高い修正を行いました。特に注目すべきは、彼らがかつて「Liquid Prime」として王座に君臨したSeason 13を彷彿とさせる構成を解禁した点です。

Game 2の「Exodia」構成:マップを半分に畳む機動力

Game 2でTLPHが採用した「ロー・イー」「チップ」「フレッドリン」「クラウド」「ゾン」の5枚。これは、かつて世界を震撼させた「Exodia(エクゾディア)」構成の現代版です。

  • マップ・フォールディング(マップ折り畳み):  ロー・イーの「乾坤」とチップの「おサボリ上等」を組み合わせることで、敵が予想だにしない方向から瞬時に多人数ガンクを仕掛けます。
  • 空飛ぶ雲の恩恵:  M7の特殊マップ仕様により、デッド後の前線復帰が早まっているため、TLPHはこの機動力を活かして極めてアグレッシブに攻め立て、AEに息つく暇も与えませんでした。
ジャングラーへの圧力:KarlTzyのレオモルド

Game 3では、TLPHのKarlTzy選手が「レオモルド」をピック。徹底して相手ジャングラーのYazukee選手を狙い撃ちし、インベード(侵入)を繰り返すことで「レトリビューション・ギャップ(レベル差)」を拡大させました。結果、14/3/6という圧倒的スコアでジャングルの主導権を掌握。ジャングラーを腐らせることで、敵チーム全体の「スケーリング」を完全に停止させました。

カウンターの回答:ガイによる「重い回転」

Game 4ではAEが「フレイヤ」や「レオモルド」といった強力な飛び込み性能を持つ物理アタッカーで勝負を仕掛けてきました。これに対しTLPHは「ガイ」をピック。敵のダイブに合わせて「狂風旋」を展開し、相手の強みを真っ向から無力化しました。ランクマッチでも、フレイヤやレオモルドを見たら迷わずガイをピックすることが、最も確実な「回答」となります。

4. ランクマッチで使える!M7流・最強構成

プロのメタを自分のランクマッチに取り入れるなら、以下の3ヒーローは外せません。

  • 推奨1:クラウド(ゴールドレーン)  「Baby Cakes duo(Oheb/JP)」の代名詞。中盤以降の集団戦での捲り性能は随一です。Innocent選手が見せたような「サベージ」級の火力を出すためには、序盤を耐え、中盤から一気に加速するスケーリング感覚を養いましょう。
  • 推奨2:フレッドリン(ジャングル)  勝率77.78%が示す通り、現在の「ユーティリティ・ジャングラー」の完成形です。高い耐久力で「フロント・トゥ・バック(前線から順に崩す)」のメタを支え、敵のCCを吸収しながらチャンスを作り出せます。
  • 推奨3:ソラ (Sora)(EXP)  Reddit等のコミュニティでも「壊れ(OP)」と断言されている今大会の目玉。 セット・維持・ダメージ の三要素を高い機動力で兼ね備えた「トリプルスレット(三重の脅威)」です。従来のヒーローバランスを崩すスペックを持っており、ソロマッチにおいて「一人で試合を動かせる」最優先練習ヒーローと言えます。
メタの結論

現在のトレンドは、耐久力とダメージを両立した「ハイブリッド型」によるマクロ勝負です。技術的なミスをキャラ性能でカバーしつつ、常にマップ全体を俯瞰する「プロの視点」を持つことが、勝率を爆上げする最短ルートです。

5. まとめ

  1. 機動力とシナジー重視:  ロー・イーやチップを組み合わせ、マップを「折り畳む」ような干渉力を意識する。
  2. カウンターの徹底:  フレイヤやレオモルド等の物理アタッカーを見たら、即座にガイ等のCCで対策する。
  3. データが示す強キャラ:  統計的に圧倒的なフレッドリンや、バランスブレイカーであるソラを優先的にピックする。

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